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立命館慶祥中学・高等学校が主催した科学オリンピック講座 2017年12月

今回の講座(2017年12月26日(火)〜 28日(木)は、90分9講座でしたので、遺伝子を中心に据えて生物の講義と観察を実施した。
一時間目は、導入として人体の臓器に触れ、その位置や働きについての説明をした。特に腎臓では、髄質における濃度勾配とヘンレのループの機能を中心に説明した。それから遺伝子としてのDNA研究史の概略を解説し、遺伝子を運搬する配偶子について説明し、減数分裂の教科書に書かれてない最も重要な意義について説明した。
二時間目は、持参したツバキの葉の切片作製法を説明し、実習として各自が作成し、スケッチを書くことの意味と意義が分かれば、光学顕微鏡の使い方は概ね理解できることを指導した。
三時間目は、今回参加した数学オリンピック・物理学オリンピック・化学オリンピック・生物学オリンピック・地学オリンピックの共同作業として、「種子の繁殖戦略」の解析を実施した。風散布種子・動物散布種子・水散布種子・重力散布種子・自動種子について石井が概説し、その後生徒による解析と発表が行われた。
四時間目は、真花説を基として、様々な果実を観察して、形成している子房の室数を考察し、元々は葉が変化したものであることから、1枚の葉由来・2枚の葉由来・3枚の葉由来・4枚の葉由来・5枚の葉由来・多数の葉由来を実際に観察して、ミカンの食用部分が葉のどの部分に該当するかを、ツバキの葉の切片と対比させた。
五時間目は、植物の花粉媒介戦略として、風媒花・動物媒花・水媒花を説明し閉鎖花についても説明した。
六時間目は、種子の繁殖戦略について、実際に観察し説明をした。様々な種子の殆どは媒体によって種子を移動させることが分かっており、風を利用する場合に翼を持つもの・小型軽量のもの・毛羽などを持つもの・特殊な器官を利用して効率よく種子散布するものなど多彩であることを理解させた。動物散布に関しては、「ひっつき虫図鑑」が発刊されるくらいにユニークなものがあることも説明した。
七、八時間目は、PCRについて、原理の説明、実験指導および演習問題の解説を行った。まず、生徒らにマイクロピペッターの操作に慣れてもらった後、サンプル調製を行わせ、PCR反応を行った。次に、PCR産物が増幅するまでの待ち時間を利用して、実験結果の予想を立ててもらい、さらに、PCRの原理を正しく理解させることを目的として作成した演習問題を解いてもらった。最後に、PCR産物に対してアガロースゲル電気泳動を行った。
九時間目は、まとめ・国際生物学オリンピック・その他について説明し、特に国際生物学オリンピックに関しては、目的・歴史・日本が参加してからの状況・生徒を指導した実践経過について説明をした。(文責:石井規雄・谷津潤)

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