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JBO本選出場者インタビュー:石田晴輝さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

石田晴輝さん
所属:
東京大学大学院 薬学系研究科 修士2年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2013 広島JBO2014 つくばIBO2015 デンマーク

Q:今は何をしていますか?

東京大学大学院の薬学系研究科で大学院生として研究をして過ごしています。来年度から博士課程に進学予定で、将来は研究者を目指して頑張っています。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

灘中学校に入った時に生物研究部という、中1から高3までが一緒に活動する部活に入っていて、その時に先輩が教えてくれたのがきっかけです。
JBOを受ける人がいて、部としても「他にも挑戦者はいませんか?」という感じの雰囲気があったので、中学3年生の時に初めて挑戦しました。そのときは残念ながら予選で落ちてしまい、その後も高1、高2とJBOに挑戦しました。
高1の時は日本代表候補にまではなりましたが、日本代表には落選しました。翌年の高2のときに日本代表となり、高校3年生の夏にIBOに参加することができました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

学校の生物の先生にもJBOを受けるということは相談しまして、当時は中学生だったため、高校生向けの生物の教科書をもらいました。個人的にすごく役立ったと感じるのは図説です。教科書だと文章でしか書かれていない部分が多いのですが、図説や図録といったものはイラストが多く載っていたり、教科書には書いていないような細かな情報も載っているものもあるため、細かい知識をカバーしたりイメージで生物学を捉えたりするのに非常に役立ちました。
僕は出版社の図説を色々比較してまして、個人的に気に入ってるのは第一学習者のスクエア最新図説生物NEOです。
代表候補になったときにキャンベル生物学はJBO委員会から貰えたため、高2で受けた時はキャンベルも読んでいましたが、あくまで教科書、図説、JBOの過去問を勉強するという感じでした。
僕が受けたのが2013年頃だったので、まだ過去問の数がそこまで蓄積されておらず、解いても答えを覚えてしまうので、過去問を使った勉強は本番直前に一周解く程度にとどめ、基本的な勉強は過去問以外のものを使っていました。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

生物研究部の中で生物学オリンピックにかなり力を入れている人たちがいました。その人たちと部内勉強会を開催しており、それが励みになりました。
勉強会の内容は、試験の1、2週間前ごろに先輩がピックアップした過去問を解いてきて、その過程を解説するといったものでした。実際に受験者の立場に立つと、この問題は後に回すべきだ。とか、こういう風に考えて答えを絞っていくのが良い。といった、答えを出すためのプロセスのような情報は、公式の解説には無く掴みづらいことが多いので、受験者目線での問題解説はその勉強会の中で得られた大きなものだったと思います。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

高校3年生の時はIBOに出場したのもあって、本番に向けてキャンベル生物学をひたすら読んでいました。失礼ながら僕は受験勉強そこまで本腰を入れてやっていなかったこともあり、生物とか化学とか、好きな科目ばかり勉強していました。そういう意味では生物学オリンピックと両立できていたのかもしれません。笑
特に国際生物学オリンピックの直前期は生物の勉強ばかりで、受験勉強は放ったらかしにしていました。

Q:大学受験に役立ちましたか?

受験の入試の問題は高校生レベルの知識を基準に作られているため、知識的な面で生物学オリンピックの勉強が直接役に立ったという印象はありません。しかしながら、生物の入試問題に特徴的な実験考察の問題(実験と結果が出てきて、そこから考えられることを問われる問題)については、実験を自分の手でやった経験があるからこそ、仮説を立てて結果を考察するプロセスに臨場感を持って取り組むことができるようになるため、この点については生物学オリンピックに参加した大きなメリットだと思います。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

JBOを通じて得られた人との繋がりが一番大きいと思います。
例えば生物学の研究の世界にどういった景色が広がっているのか、大学進学後に自分で勉強した領域の中から見つけるのには限界があると思います。
しかしながら、既に大学にJBOで繋がった同級生や先輩後輩が沢山いることで、その人たちを通じて色んな分野の研究をしている人の話を聞くことができるので、自分の研究に対する見え方や研究の世界の捉え方が大きく広がりました。こういったことはJBOを通じて得られた人との繋がりによるものが一番大きいと思っています。

Q:現役挑戦者へのエール!

なかなか想像が難しいと思いますが、JBO参加者には皆さんが思ってる以上に生き物のことが好きなオタクがたくさんいます。我こそは生物学、生き物好きだという人は特に、全国から生き物好き、生物学好きが集まるJBOでたくさん友達を作ってもらいたいです。
JBOに参加したり、参加に向けて生物学を勉強することで人生が変わると思うので、ぜひ皆さん頑張って挑戦してみてください。

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JBO本選出場者インタビュー:竹本亮太さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

竹本亮太さん
所属:
東京大学大学院 薬学系研究科 修士2年
出身:
広島学院中学校・高等学校
出場:
JBO2014 つくばIBO2015 デンマーク

Q:今は何をしていますか?

東京大学大学院薬学系研究科の修士2年で、研究室ではアルツハイマー病とミクログリアの関係について研究をしています。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

高校の廊下に貼ってあるチラシに生物学オリンピックや他の科学系のオリンピックとまとめて掲載してあったのと、1つ上、2つ上の先輩方がJBOに出場して学内表彰があったのでこういう大会があるんだなと知りました。高校1年生の頃に先輩の出場を知って、実際に予選を受けたのは高2の夏です。

Q:JBO本選の成績はどうでしたか?

予選と本選とで合わせて金賞ではあったんですが、順位までは覚えていません。その年、高2の3月に代表選抜があり、その次の年に運良く代表になることができたので、翌年度にあたる2015年の夏にIBOデンマーク大会に出場しました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

受ける時点で高2の春、夏ぐらいだったので、それまでにその生物基礎の内容は学校の授業でやっていて、予選用の勉強としてはまず過去問を自分の持っている知識で解いて、何を言っているのかが分からない部分だけキャンベル生物学っていう大きい教科書を参照して確認して、「あぁこういうのがあるんだ」ということを繰り返していくような形で予選に向けた勉強はやりました。
予選を受けようと思ったのが高1の春ごろなので、高1の3月〜高2の7月頃にかけてのことだったと思います。
予選の勉強については、僕が思う生物学オリンピックの問題の特徴として、受験や学校で扱う内容と比べて知識よりも思考力を重要視する問題が多いと思うので、僕も当時は高校の生物自体、生物基礎程度しか習ってない状態ではありましたが、それでも問題文を読んでしっかり考えれば知識にそこまで自信がない状態でも答えまで辿り着けるようになっていたと思うので、知識量に関してはあんまり自信がなくても、思考力だけで勝負してやるっていう人にも良いのではないかと思います。
思考力の鍛え方については、例えば今回でいうキャンベル生物学のような教科書などを読むときに、ただ字面を追うだけじゃなくて、その文章を書いている人がどういったことを伝えようとしてこの具体例を出しているんだろう?とか、その書き手の意図を考えながら文章を読んだりとか、そこからまた発展して、想像力を膨らませて書いてある内容だけではなくてその裏にあるもの、その先にあるものを自分で考えながら読んでいく癖があると良いのかなと、いま振り返ってみるとそう感じます。

Q:分からない問題はどうしていましたか?

有名どころだと生物学オリンピックの指導が伝統的にあるそうですが、僕の学校はそうでもなく生物の先生も基本的に高校の内容まで。という感じだったので、分からない箇所はJBO委員会が出している解説と教科書で頑張って読んで解消していました。その他には、JBO参加経験者の先輩がいたので、個人的に聞きに行っていたと思います。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

同級生にはいませんでしたが、1つ上と、さらに1つ上の2人後輩に1人、JBO本選まで行った人がいました。ただし僕の周りの学年だけコンスタントに受験してたような感じで、最近の話を聞く限りはそこまでJBOの受験が活発という話は聞かないので、ちょっと寂しく思います。化学や物理など、自分の好きな科目で出る人はいましたが、たまたま生物は少なかったのだと思います。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

僕の高校は物理の方が受験で点を取りやすいという風潮があったので、割合としては7割ぐらいは物理選択者だったような気がします。僕自身も生物選択ではなく、生物学の知識を勉強したとしても受験には生かされないので、完全に趣味っていう形でJBOの勉強をやっていました。
両立という意味では、受験勉強自体は息苦しいもので、範囲も決められていて「これができるようにならないといけない」「決められた通りやる」といったことが大事にされているような感じがする一方で、生物学オリンピックの問題はそういった堅苦しさとかよりも自由な発想や自由に考える能力みたいなものを問われていて、そういったものに触れる時間自体は受験勉強とは質の違うものだったので、ある意味息抜きのような形になっていたのかなと思います。なので両立する上ではそこまで凄く大変という感覚はなかったと思います。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

ちょうど僕の年に東大の推薦入試が導入されましたが、初年度だったこともあって制度が分からなかったことと、東大の進学振り分けの制度に魅力を感じていたので、推薦は受けない選択をしました。
世の中の流れとして、課外活動のようなものが推薦入試などで重要視されいて、僕の身近でも大学2年生の推薦入試で入った学部生の人たちが研究室見学をしに来たり、実験をやったりということが実際にあったので、そういった面でやる気のある学生として大学内でも扱われているように感じているので、生物学オリンピックに出て推薦で入るということは、先生方から見ても凄く好ましいというか、やる気のある印象を持たれるのだと思います。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

受験科目としては直接関係することはありませんでしたが、JBOは思考力が問われる問題が多く出題されていたので、文章の読解能力や論理の組み立て方、文章の書き方といった能力といったは生物学オリンピックを通じて鍛えられた部分もあると思っています。そういった基礎的な能力は国語でも英語でも数学でも何にでも生かされるものなのかなと思うので、その点に関してはJBOへの挑戦して良かったと思っています。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

一番は自分の視野というか見識が広がったことだと思っています。普通に高校生として生活をしていると、自分の高校の中の生徒としか会わないわけですが、JBOの本選に行って東京とか関西といった都会や非常に名前の知れた学校、他にも全国津々浦々から生物が好きという理由で集まってきた優秀かつユニークな人たちと出会って交流することができます。そうした経験を通じて、こんな人もいるんだ。こういうモチベーションを持って頑張ってる人もいるんだ。といった色んな考え方を知ることができて自分のモチベーションに繋がった部分があります。
また国際大会にも出場させていただいたんですが、日本の学生と違って海外の、特にアジア、シンガポールや韓国、中国。欧米などから凄く優秀な学生が、すごくやる気に満ち溢れている様子で、そうした色んなことに積極的な学生とも出会えることができ、そうした経験を通じて「自分ももっとやれるな」とか、いろんな刺激を受けることができました。
さらに、大会を通じて出会った人達とは大学に入ってからも様々な形で話をしたり、交流したりする機会があり、そういう人脈に恵まれたという面でも、JBOに挑戦して良かったと思っています。

Q:JBO本選の思い出を教えてください

宿が一緒だった子の個性というか、勢いが凄くて、初対面なのに毎朝乃木坂の曲で起こされて「なんだコイツは?」と思いましたが、いまでも彼とは同じ東大の医学部の所にいる友達で、最初はすごく変なやつだと思った人とも結構仲良くなれたことが印象的でした。
本選の3泊4日は試験ばかりではなく、選手同士の交流(放っておいても勝手に交流してはいますが)時間がたくさんあったので、みんなでトランプをしたりUNOをしたり人狼をやったり、修学旅行の夜のように遊んだり、普段できないような生物の話を夜中に皆で楽しんだりだとか、シンプルに楽しいイベントだった思い出があります。参加者同士のライバル意識も全然なく、皆普通に「楽しもう」という姿勢で参加していたように思います。

Q:現役挑戦者へのエール!

最初は軽い気持ちで受験をした生物学オリンピックでしたが、いま振り返っても確実に自分の人生を変える経験だったと思います。JBOの勉強を通じて知識や思考力が鍛えられることに加えて、本選で高校生の時点で生物が好きという共通点を持った全国の優秀な友人が得られるというのは本当に貴重な経験だったと思います。ですので皆さんも本選出場を目指して、楽しみながら頑張ってください。

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JBO本選出場者インタビュー:前田智大さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

前田智大さん
所属:
株式会社Mined 代表取締役
出身:
灘高等学校、Massachusetts Institute of Technology Electrical Engineering
出場:
JBO2010 つくばJBO2011 広島IBO2012 シンガポール

Q:今は何をしていますか?

今は起業家で、スコラボという子供向けのオンラインのライブ授業のマーケットプレイスを作っています。今のいわゆるプラットフォーム授業が始まったのは2020年の8月なので、大体半年前からになります。
教育自体には昔から関心はありましたが、24歳ごろまでは研究者になろうと思っていましたが、修士の一年が終わった頃に、もう少し実社会と結びついた領域でインパクトを多くすることをしたいということで、起業家になろうと決めました。
もちろん研究が実社会に結びついてない訳ではありませんが、社会実装へのサイクルに時間がかかるので、自分の性格からすると起業家の方が向いてるなと思い、起業家へと考え方が変わりました。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

中学3年の頃、学校にあったポスターで知りました。生物の先生も興味があれば出たら良いのではないかと話しており、中3の夏と高1の夏に応募して本選にも参加しました。

Q:JBO本選の成績はどうでしたか?

中3のときは銅賞、高1は金賞で、その年度の選抜試験で選ばれて日本代表となり、翌年のIBOシンガポール大会に出場しました。

Q:IBOでのエピソードを教えてください

妻と出会いました。彼女はウクライナからの代表でIBOに来ていて、大学3年生のころにアメリカで近くの大学同士になって。ということで、何から何まで生物学オリンピックのお世話になってるっていう感じです。笑

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

中3のときは生物オリンピックの存在を知ってからキャンベル生物学を一周読みました。結構重かったんですけど(笑)頑張って読んで臨みました。
あとは通学時間が電車で毎日大体3時間半ほどあったので「利己的な遺伝子」であったりとか生物系の有名なポピュラーサイエンス系の本は多く読んでました。
量としてはジャンル問わず読んでいたので、恐らく年間に7,80冊ぐらい読んでいて、その4分の1ぐらいがおそらく生物系の本だったなので、20冊ほどだったと思います。
学校の教科書は本当に開けたことがないぐらいで、過去問は試験前に多少解いたぐらいなんですけれども、当時はそんなに過去問が公開されていなかったので、2年分も解いたらもう何もやることない状態でした。
実は中3の本線が終わってから高1の間までは全くまた生物の勉強をしていなかったのですが、あの本は読み続けていたので、そこで色々バックグラウンドの知識がついたのと、論理の部分が強くなったので、生物学オリンピックに必要な力はめちゃくちゃ鍛えられたと思います。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

私の学年にはいませんでした。1個上の先輩にはいましたが、生物部でもなかったのでその先輩との関わりはなく、一人で黙々とキャンベル生物学を読んで勉強するというスタイルでした。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

そもそも中高一貫で、生物学オリンピックへの参加も中3から始まってIBOが高2の夏だったので受験勉強と重なる時期はありませんでした。そのため両立をする必要がなかったというか、受験勉強で忙しくなる前に生物学オリンピックが終わったっていう形でした。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

日本では東大を受けたんですけれども、東大の受験勉強と生物学オリンピックの受験勉強はかなり相性がいいなと思います。
生物オリンピックの勉強をやっていれば東大の生物でも似た系統の問題が出るので、生物で東大受験するんだったら生物学オリンピックに参加して遠回りになることは無いと思います。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

海外の大学への受験はAO的な要素が多いので、その中ではIBOでの銀メダルは一番強い武器となりました。例えばMITだと国際生物学オリンピックに出ていると一つの秀でた実績として認められるので、かなり大きな武器というか一本の軸としてアピールしやすいものができたと思っています。

Q:大学受験に役立ちましたか?

めちゃくちゃ役だったと思うというか、基本的に生物学オリンピックの勉強をしていると東大とかの試験では、生物は何も対策しなくてもスラスラ解けるようにはなりました。
生物学オリンピックの勉強を通じて根本的な思考力が鍛えられているのと思うので、間接的な効果もあると思っていて、細かい覚える部分であったりとか、実際に問題を解く部分では化学は半分ぐらい良い影響を感じた一方で数学とかちょっと遠いように感じました。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

生物を楽しんで学んでいる人達と出会えたことが一番大きいことだと思っていて、同世代で本当に楽しそうに生物について好奇心をフルに発揮して学んで、色々な疑問を研究者に当てるような子達を見ると、自分もまだまだだなと感じることが多かったです。
同世代だけでなく、実際にライフワークとして研究者の方々、JBOの先生方と会うとピュアに学問を楽しんでるんだなっていうのを感じられたので、学校で学ぶ「これとこれとこれで覚えろ」みたいなものとしてではなく、ピュアに「これを知りたい」と思って楽しんで学んでいる方々と出会えたのが一番大きなことだと思っています。

Q:現役挑戦者へのエール!

楽しむことが一番だと思います。私自身も楽しむことが生物学オリンピックで成功する一番のコツだと思っているので、あまり試験とかで身構えずに、目の前にある現象や知識に対して不思議に感じる気持ちを忘れずに、楽しみながら生物学オリンピックに挑んでいただければと思います。

<< JBO出場者インタビュー 「本戦出場への道」


JBO本選出場者インタビュー:若林勇太さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

若林勇太さん
所属:
東京大学 農学部 獣医学専修 3年
出身:
石川県立金沢泉丘高等学校 理数科
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京

Q:JBOをどうやって知りましたか?

私は2年生から受けたのですけれど、生物担当の先生と、1年の時のクラスメイトで受けていた人がいて、彼らから勧められて受けたっていう感じです。先生が授業でおっしゃっていたのと、私の高校は特に、理数科だからっていうのもあるのですが、1年生の時に、科学グランプリとか物理チャレンジとか、いくつかあるそういったもの中で、何かひとつ、できれば参加してほしいというふうな形だったのです。1年生の時は科学グランプリの方を受けたのですが、2年生、3年生で生物学オリンピックの方を受けました。本選に出場したのは同じく、高校2年、3年両方です。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

高校は、1年生で生物の授業が終わるというカリキュラムでした。そこで、友達から、「JBOを受けてみたら?」と勧められまして。生物の成績は良かったので、1年生の3月くらいにJBOの過去問を解いてみて、「結構解けるな」と思いました。あとは過去問を解きつつ、個人的には植物があまり得意ではなかったので、まあ、今も獣医学部ですので植物は全然よく分かってないのですけど(笑)、その辺は教科書を確認するようにしました。生物の授業では全範囲網羅されていませんでしたので。教材は、高校で指定される教科書と資料集です。問題集も、いわゆる普通に定期試験で範囲を指定されて勉強するような、そういったもので対応できていたと思います。キャンベルは、予選を受けるためには読んでいないです。量的にも多いですし。2年生の時に、翌年度の国際大会の代表候補になりましたので、その際にキャンベルを頂きました。まあ、代表にはなれませんでしたけど(笑)。キャンベルは、全部読み切ったかというと、いまだに全部読み切っていないです。細々と読んでいるっていう感じですね(笑)。ほぼ過去問で対策しましたので、かなり勉強はやったと思います。分からないことはまず高校の先生に聞いて、それでも解決しないときは粘って調べてみるっていう感じでした。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

毎年何人か高校で受けていました。本選に進んだ人は恐らく、私が高校にいた間は私一人だったのではないか、と思います。特に、高3の年になりますと、私は生物部に所属していましたので、部員の1、2年生に「出よう、出よう!」って勧めていました。一緒に勉強会などもしていましたが、なかなか本選に進める人は出ませんでした。去年、一昨年は出ていましたね。勉強会の頻度は、別にそんなに多くありませんでした。予選前に高校の試験がありましたので、試験と予選前の間に何日間かありましたので、そこで実施していました。生物学の教室がありましたので、そこで分からない問題を教え合ったり、先生に解説を聞いたり、そんな形でした。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

私は物理化学選択予定でしたので、生物は細々とやる感じでした。両立できたかって言われますと、そんなに生物を重点的にやっていなかったっていうのが、正しいような気がします。試験期間中は、生物の方はほとんど触りませんでした。運動部で部活に打ち込んでいる人からすれば、大した量でもなかったです。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

一応推薦で受かっていますので、役立っている可能性はあるのですが、大学側が果たしてどこまで評価してくれたかは、こちらでは分からないですね。東大の推薦ですと、金賞の方とか国際大会に出た方とかって、たくさんいらっしゃいましたので(笑)。理数科って課題研究がカリキュラム上必修になっていまして、それを結構長い間続けていましたので、それで書いた論文というか小論文を提出しました。面接については、「進学後何がしたいか」という話が中心で、「何をしてきたか」っていうのは、あまり聞かれなかったような気がします。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

地方在住ですと、普段、都会の中高一貫校とか、国公立でも日比谷高校とか有名な高校や、私立の進学校などとの接点がないので、そういう人たちと出会う機会があったというのは、受験のモチベーションに繋がったと思います。当時会った人の中には、いまだに連絡を取り合っている人もいますし。ちょこちょこ一緒に話すぐらいの友達や、いろいろと詳しい話ができる友達ができるかなと思います。

Q:現役挑戦者へのエール!

自分と興味の近い相手に会える機会っていうのは、特に地方在住だとなかなかないと思いますので、この機会をぜひ有意義に使って、挑戦してみるといいのではないかなと思います。頑張ってください!

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JBO本選出場者インタビュー:長谷川修造さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

長谷川修造さん
所属:
東京大学 理科三類 1年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

Q:JBOをどうやって知りましたか?

僕は中高と生物研究部に所属していて、先輩方がJBOに参加されていたのと、部活の中で、参加費無料ということもあり、皆で応募しようという感じでしたので、参加しました。JBOに参加したのは中学2年生からです。予選を受けたのは中2から高1までの3年間です。本選に出場したのは中3と高1です。中3の時は、受賞等は何もなくて、高1の時が金賞でした。高2の時にIBO(国際生物学オリンピック)に行きました。開催国はハンガリーでした。

Q:IBOでの経験はどうでしたか?

めちゃくちゃ面白かったですけど、もう、成績が悪くて。微妙な泣き顔の、半分泣いているみたいな写真がありました。でも英語ができなくても、皆さんすごく話を聞いてくれるので、結構いろんな国の人と喋れて、すごく面白かったです。テストの方が短いぐらいでした。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

部活で、何度か問題が出ていましたし、先輩が教えて下さる時間みたいなのもありましたので、週1で生物のことを教わるみたいな感じと、あとは5月位から、皆で集まって過去問を解いたりしていました。勉強には大体、過去問と学校から貰える数研出版と第一学習社の生物図録を使っていました。中学の時に最初に貰ったのが数研出版の生物図録で、高校で貰ったのは第一学習社のスクエア最新図説生物で、どちらも良かったです。
キャンベルはあまり本選出場までは使わなくて、どちらかというと、代表選考とかそれ以降で役に立ちました。教科書を読みこんだみたいな事は、あまりしなかったです。予選問題が、知識というよりは、思考力を求めるみたいなところが結構ありましたので、問題に書いてあることが理解できるぐらいの知識があれば、思考力でなんとかなるという所はあったと思います。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

予選の問題を解いているのが楽しい感じなので、他の勉強時間をすごく削ってまでJBOの勉強をやるということではなかったです。部活動の一環とか放課後とかでやっていましたので、受験勉強との両立は、まあ、どうにかできていたと思います。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

自分は推薦ではなかったので分からないですけど、多分どこの大学にもあると思うのですが、調査書とかにそういう事(受賞歴など)を書くところがありますので、そういうところに書けることがあるっていうのは、記載することがないよりは、多分すごい印象も良いと思いますので、役には立つのだと思います。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

生物、化学など理系科目で絶対に影響はあると思います。生物の問題に対する、言語化の能力は、JBOを経てすごく上がったと思います。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

まず、すごく生物学が好きな人同士が、集まる機会っていうのが、JBOの本選でもない限りそうそうないと思います。自分への刺激になりましたし、採集とか研究とかされている方も結構いらっしゃいましたので、そうですね、自分が生物学をやる上で、すごく励みになりました。

Q:現役挑戦者へのエール!

生物学が好きな人同士で集まれるっていう機会は、多分、中高生で、そんなにないですし、実際に本選に出てみたら、すごく色々な人と話ができて、めちゃくちゃ面白かったです。予選も、思考力とかすごく難しい部分がありますけど、ぜひ頑張ってください!

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※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

前田智大さん
所属:
株式会社Mined 代表取締役
出身:
灘高等学校、Massachusetts Institute of Technology Electrical Engineering
出場:
JBO2010 つくばJBO2011 広島IBO2012 シンガポール

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石田晴輝さん
所属:
東京大学大学院 薬学系研究科 修士2年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2013 広島JBO2014 つくばIBO2015 デンマーク

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竹本亮太さん
所属:
東京大学大学院 薬学系研究科 修士2年
出身:
広島学院中学校・高等学校
出場:
JBO2014 つくばIBO2015 デンマーク

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阿坂玲さん
所属:
滋賀医科大学 医学部医学科 5年
出身:
四天王寺高等学校
出場:
JBO2015 広島

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千代田創真さん
出身:
海城高等学校
出場:
JBO2015 広島JBO2016 つくば

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若島朋幸さん
所属:
筑波大学 生物学位プログラム 修士1年
出身:
広島大学附属高等学校
出場:
JBO2016 つくば

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梶谷碧さん
所属:
東京大学 理学部生物学科 4年
出身:
東京都立西高等学校
出場:
JBO2017 広島

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高橋航さん
所属:
筑波大学生物学類3年
出身:
山形県立鶴岡南高等学校
出場:
JBO2018 東京

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若林勇太さん
所属:
東京大学 農学部 獣医学専修 3年
出身:
石川県立金沢泉丘高等学校 理数科
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京

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本屋敷健太さん
所属:
九州大学 理学部 生物学科2年
出身:
修道高等学校
出場:
JBO2019 長崎

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小野俊祐さん
所属:
東京大学 理学部生物学科 2年
出身:
鳥取県立鳥取西高等学校
出場:
JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

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椋木優斗さん
所属:
京都大学 医学部医学科 2年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

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長谷川修造さん
所属:
東京大学 理科三類 1年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

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星野敬太さん
所属:
東京大学 農学部 1年
出身:
栄光学園高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

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