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日本生物学オリンピック本選参加者の声

出場者インタビュー

日本生物学オリンピック 本選出場者インタビュー 本選出場への道

「JBOを知ったきっかけは?」「どんな勉強をいつからした?」「大学受験には役立つ?」「JBO本選の思い出は?」など、様々な角度からJBO本選出場経験者の生の声を聞きました。
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JBO本選出場者インタビュー:椋木優斗さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

椋木優斗さん
所属:
京都大学 医学部医学科 2年
出身:
灘高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

Q:JBOをどうやって知りましたか?

中高一貫校なんですが、生徒会誌みたいなものがありまして、各々で記事を書きたい人が投稿して、それをまとめて生徒全員に渡すんです。
その会誌に国際生物学オリンピック(IBO)の体験記を載せている先輩がいて、それを読んで生物学オリンピック(JBO)っていうのがあるんだと知りました。
それで、JBOのことは中学の頃から知っていました。
中学の頃は何となく受けなかったんですけれど、高校に入った時に、チラシが廊下に貼ってあるのを見て受けてみようかなと思いました。
高1の時に一回受けたのですが、代表選抜で落ちたのでもう一回、高2でもチャレンジしました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

中学の時から興味はあったんですけど、生物の勉強とかどうやってやったらいいのかなあと、勉強の仕方が分からなかったので受けなかったんです。
高1になった時に高校の教科書を貰って、高校の教科書が結局JBOの範囲になってくるので、教科書を読み込みました。
そして、「これだとなんとなく受けられそうな気がする」と思って、夏に受けたって感じです。
高1の4月から7月の予選までは教科書で勉強しました。
高1の本選を受けるとなったとき、一個上の先輩にIBOを受けている人がいました。
本選は実験試験があるのですが、実験の経験は全然なかったので、それを先輩に教わろうと思って「どうしたらいいですか」って聞いて、
実験を実習みたいな感じで教えてもらいました。
その先の勉強としては、高2の代表選抜候補者になったときにキャンベル生物学が送られてきたので、それを使って勉強しました。
代表選抜候補者になると分厚い教科書がタダでもらえるんですよ。
過去問はけっこう解きましたね。
考える系の問題は、そのまますっと行けるという感じでしたが、知識の方は、分からなかった問題について、教科書や資料集に大体の事が載っていたので、それらで補っていました。代表選抜試験までの期間が、本選(通常八月)から3月まで結構期間があるんですよね。
その間はずっとキャンベル生物学で勉強していました。キャンベル生物学は全範囲を浅く広く押さえている感じだったので、それを読みつつ本選に備えました。
僕は生物研究部じゃなかったんですけど、生物研究部のところに遊びに行ってちょっと実験させてもらったりしていました。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

一回目の本選では同学年と一つ下の人と一緒になりました。その時は、同学年のもう一人の方が代表になったので、僕は敗れちゃったんですね。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

高3のときはJBO予選は受けなかったです。でも、IBOに出場していたので、生物をやりたい時はやるっていう感じでした。
受験勉強の方が疲れてきたら、生物ちょっとやるか~って感じでした。生物選択だったので、受験でも一応使えました。
筆記試験が大学範囲のものとか、(作題している)教授が研究しているようなこととかが出てきたりするんですけど、そういった知識を知っていると有利なこともあるかもしれません。あと、文章問題を読むことに慣れてきます。
(大学受験だと)長い文章が出てくるので、JBOの対策をしていたら筆記試験の長い文章も読めようになってくるので、有利だったかなと思います。

Q:センター試験に役立ちましたか?

それは別の問題ですね。ケアレスミスをしたりとか。
生物では意外と細かい暗記が多いので、「そこを突いてくるか!」ってなると点数を落としたりもしましたね。

Q:今振り返ってJBOに挑戦してよかったことは?

本選では周りは知らない人ばっかりなんですけど、相部屋で泊まって仲良くなったり、実験問題の班分けで毎回一緒になる人と喋ったり、席が近い人と喋ったりして仲良くなりました。
そうやって知り合った人たちと今でも時々連絡を取ることがあります。
いろいろな情報交換ができて楽しかったです。
今の、大学生としての視点から言うと、大学の実習授業のときに緊張しないっていうか、楽しんでやれるみたいなところはありますね。
高校時代の実験の練習とかJBO本選での実験の経験があるから、大学の実験実習も「なんでこの実習をやっているか」といったことを割と把握しやすいです。
実習で手を動かすことにあくせくしてしまって、なにをやっているか分からない、みたいな状態にはなりにくいです。

Q:現役挑戦者へのエール!

自分が生物が好きかもしれないなと思っていたら、生物を勉強することでさらに見えてくることもあるし、そういったものを見つける良い機会として、JBOがあるのだと思います。
JBOは予選本選で筆記試験と実験試験という、わざわざ別の方式を用意してくれていて、いろんな経験ができるようにプログラムされています。
そういう方式になってるので、JBOにチャレンジすることで、より生物の面白みっていうものが見えてきます。
さらに、もし生物の、さらに奥のほうに進んでいくなら、その進んでいく方向の先に、自分の好きな分野も見えてくるようになっています。
JBOを受けてみることは、そういった経験を得るチャンスとしてすごくいいと思います。
コンテスト形式ですので、周りと切磋琢磨して自分がここまでできるっていうことを感じることができるし、1位を取れたら嬉しいですし、大会としてとても楽しいものなので、ぜひチャレンジしてみたら良いと思います。

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JBO本選出場者インタビュー:小野俊祐さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

小野俊祐さん
所属:
東京大学 理学部生物学科 2年
出身:
鳥取県立鳥取西高等学校
出場:
JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

Q:JBOをどうやって知りましたか?

高1の時に、自然科学部の生物班っていうところに入って、そこの顧問の先生が「よし!お前ら全員、生物学オリンピック(JBO)を受けろ」って言ったので受けました。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

同級生が僕ともう一人で、当時の2年生が四人ぐらいいたと思います。
(学校からは)JBOの予選には毎年参加していたけれど、一回も本選には行ったことがなかったみたいです。

Q:高校何年生の時に挑戦しましたか?

高1で初めて挑戦して、本選に行ったのは高2のときだけです。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

僕は普通の中学校だったので、高校に入って初めて生物をやることになったんですけど、JBOのホームページにキャンベル生物学がいいよ、と書いてあったので「じゃあ、これを読みたい」と思いました。
でも、いきなり大学の教科書を読んでも分からないだろうなと思って、「大森徹の最強講義」という高校生向けの参考書を、1ヶ月ぐらいで頑張ってバーっと読みました。
そしてそれが読み終わってから、両親に頼み込んでキャンベル生物学を買ってもらって、ひたすら読みました。
ひたすら読むって言っても、そんなに読めなかったんですけど。
あとは過去問をいっぱいやるって感じでした。
高校範囲は全範囲できたんですけど、高1のJBO受験時はキャンベル生物学は全然読めていなくて。どこまで読めたかは覚えていないです。
高二でJBOを受験した時には、キャンベル生物学は読み終わっていました。
その前の(高1の)3月に科学の甲子園っていうのがありまして、それに出たんですよ。
そのためにも生物の勉強をいろいろやっていたので、JBOに向けての勉強はほとんどがキャンベル生物学を読むことでした。
予選前の1ヶ月ぐらいからは予選の過去問を解いて、間違えたところとか普通に知らなかったところがあったら、キャンベル生物学の該当の節を読んで「ああそうなんだ」って、繰り返していました。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

僕は国際生物学オリンピック(IBO)にも出たんですけれど、IBOも3年の夏には終わるので、そんなに困りはしなかったですね。
生物1に対して受験勉強1ぐらいの割合だから時間を圧迫していたのかもしれないですが、そもそも勉強時間をいっぱい取るタイプではなかったので、時間は結構余っていました。
化学生物選択で、独学で地学もやっていました。地学オリンピックの本選にも出ました。

Q:大学進学(推薦入試・AO入試)に役立ちましたか?

東京大学に推薦入試で入りました。
その時に、それほど面接でアピールしたわけでもないんですけど、JBO日本代表認定証を書類として提出したので、結構効果はあったんじゃないかなと思います。
本当は京都大学に行きたかったんですよ。でも当時、京都大学の推薦入試は理学部は数学しかなかったんです。今は生物もありますけど。
東京大学の募集要項を見たら、「ああこれいけるな」と思ったので、先生に「推薦してください」って頼んだら、推薦枠が空いていたという感じです。
一般入試の出願は京都大学に出したんですけど、先に東京大学から合格をもらったので受験会場には行っていないです。

Q:今振り返ってJBOに挑戦してよかったことは?

知り合いがいっぱい出来たっていうことが大きいです。
特に僕みたいな地方出身者だと、周りに生物の話ができる人ってあんまりいなくて、なかなか話も合わないという状態になりがちなんです。
けれど、本選に行って、すごい頑張ってる人たちと出会うことができて、存在すると知っていても実在する人として実感が湧かなかったそんな人たちと、実際に会って話していると楽しいな、と思いました。
そういう出会いっていうのはすごい大事だったと思います。
実際、今でも仲良くしてる人もいるので、良かったなと思います。
スーパー高校生みたいな別の世界の人だと思っていた人が、JBOに行くといるんですよ。

Q:現役挑戦者へのエール!

JBOに参加するっていうのはすごいことで、一生ものかどうか僕にはまだ分からないですけど、少なくとも大学に入るぐらいまでは大きなインパクトがあることだし、楽しい場でもあるので是非頑張って挑戦してみてください。
メダルとかも取れると、後々良いことがあるので頑張ってください。

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JBO本選出場者インタビュー:若島朋幸さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

若島朋幸さん
所属:
筑波大学 生物学位プログラム 修士1年
出身:
広島大学附属高等学校
出場:
JBO2016 つくば

Q:今は何をしていますか?

主に生物の研究をしています。
嫌気性真核微生物が持っている縮退進化したミトコンドリアのプロテオーム解析をしています。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

出身高校の広大附属高校が生物学オリンピック(JBO)の受験会場になっていました。
そのため校内にポスターが貼ってあったり、生物の授業を選択した際に先生から受験してみないかと声がけいただいたりしました。
予選会場になるために、20人~30人ぐらいは受験者が必要だったと思いますので、それぐらいの学生がうちの高校から受けていました。
生物選択の人はとりあえず試しに受けるみたいな感じで、結構みんな受けていました。
初めて受けたのは高2の時です。
結果は予選通過できず、そこで悔しい思いをしました。
それから一年間、結構本気でJBOに向けた勉強をし始めて、高3の時に、2度目のチャレンジで本選に出場することができました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

高2の時は、本当にチャレンジというか特に対策とかせずに受けたので、全然得点できませんでした。
しかし、その後は勉強方法として、とにかく過去問を解くことをやりました。
2009年以降の過去問がJBOのホームページに公開されているので、2009年から自分が受けた2016年まで、一つの年につき少なくとも3回以上は解きました。
当時、自分が勉強していたデータを、全部エクセルにまとめてたんですよ。
2009年から2016年までの公開されている最高点、平均点、標準偏差および問題数などをまとめました。
そして、年ごとの問題の傾向や難易度をチェックするために、グラフを作ったりしていました。
(詳しくは動画をご覧ください)
そういうデータを作っておいて、自分が解いた結果を合わせるとこんな感じになっています。
1回目に解いた時の点数、2回目に解いた時の点数を記録しています。
その年の最高点を超えるように頑張ってやっていました。
初めて解いた時は30点とか40点とかでした。
結構難しい問題が多いんですけど、2回目は60点になり、3回目になるとおおよそ80点以上は取れるようになっています。
解答解説が公開されていて、かなり丁寧に説明があるので、分からないところは解答解説をじっくり読み込みました。
僕はかなり独学だったので、あまり先生とかに頼ることはなかったです。
キャンベル生物学を開いたり、資料をひたすら読み込むことが多かったです。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

高2ぐらいまでは、普通に一般入試を視野に入れて大学入試の勉強をしていました。
しかし、筑波大学には国際科学オリンピック特別入試枠というものがありまして、僕はそこ一本に絞って生物の勉強をしていたので、JBOの予選と本選自体が僕にとっては入試みたいなものでした。
一般入試の勉強は殆ど手を付けずにひたすら生物の勉強に集中していました。
筑波大学の生物学類に、どうしても行きたい研究室があったんです。
筑波大学に入学する方法としては、一般入試とか推薦入試とか色々あったわけですが、僕は文系科目が苦手でして、特に国語、古文や漢文が非常に苦手でした。
国語を回避して入学できる方法はないかと模索した結果、国際科学オリンピック特別入試枠を発見したので、そこを狙ってみることにしました。
そもそも高2の時点でJBO予選を通過できていなかったので、高3でほぼ初めての本格的な挑戦でした。
それを入試に代わりにするっていうのは、結構チャレンジングでリスキーだったと思います。

Q:大学進学(筆記試験)に役立ちましたか?

他の科目としては、有機化学には強くなりました。
代謝経路についての勉強を生物の方でするのですが、光合成であったり呼吸であったり、そこで有機化合物の勉強したので、大学に入ってからも有機化学だけは得意になりました。
あとJBOで勉強した統計も役に立ちました。

Q:今振り返ってJBOに挑戦してよかったことは?

まず第一に、入試を突破できたっていう点です。
JBOに挑戦したことで今の大学に入ることができて、JBOには非常に感謝しています。
あとは、人脈ですね。
今でも当時の大会の同期であったり、その後も僕はスタッフとして携わっているので、そのスタッフの関係で知り合った方や今の高校生の方とも面識があったりして、本当に世界が広がったなと思います。
日本全国の大学に散り散りになってはいるんですけれど、それはそれで日本全国どこに行っても知り合いがいるということですし、各方面の分野でプロフェッショナルの知り合いがいる状況になったというのは、すごく面白いなと思います。

Q:現役挑戦者へのエール!

以前の大会で、浅島誠先生が仰っていて、いいなと思った言葉があるので、僕はそれを皆さんに伝えたいと思います。
今の日本は出る杭が打たれがちな社会です。
生物学オリンピックは出る杭を伸ばす、それが生物学オリンピックです。
ぜひ皆さん出る杭になってください。
そしてJBOにチャレンジして、どんどん世界に羽ばたいて行ってください。

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JBO本選出場者インタビュー:梶谷碧さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

梶谷碧さん
所属:
東京大学 理学部生物学科 4年
出身:
東京都立西高等学校
出場:
JBO2017 広島

Q:JBOをどうやって知りましたか?

高3の時に、既に生物選択は決まっていて、当時の担任が生物の先生で、その先生が紹介してくれました。
生物学オリンピック(JBO)の存在自体はなんとなく知っていたんですけど、気軽に挑戦できるんだと知ったのは高3でした。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

本選に進むことを目標にしていたので、予選の過去問をひたすら解くのが、一番の対策でした。
7、8年分くらいを、少ない年度は1回だけ一通り解きました。
多い年度では、2、3回解きました。
最初は、全然解けなかったです。
その時は、高3ではあったんですけど、生物の範囲が終わり切っていなかったんです。
なので、過去問を解いて、初めて習う範囲のこともありました。
そういうときは、教科書などに戻って「こういうことになってるのか」と分かった上でもう一回挑戦していました。
高校生物の教科書と、図説(スクエア最新図説生物neo)をかなり使い込みました。
キャンベル生物学は当時手元になかったので、あまり参考にすることはなかったです。
分からない問題があったときに、学校の先生に質問したこともほとんどなかったと思います。
基本的には図説などを使って調べました。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

クラスに一緒に受ける人が多かったので、予選までの4ヶ月の間に放課後、4、5人で過去問を解いて、教え合ったりしていました。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

4ヶ月間の放課後をJBOの勉強に費やしたことになりますが、その時の勉強がそのまま受験勉強の過程にある感じでした。
両立というより、JBOのためにやった勉強をそのまま受験勉強に生かしたという形になります。

Q:大学進学(推薦入試・AO入試)に役立ちましたか?

ちょっと考えたんですけど、私は結局使わなかったですね。

Q:大学進学(筆記試験)に役立ちましたか?

はい。かなり役立ったと思います。
学校の生物の範囲が全部終わるのが少し遅かったので、それより前にJBOの試験対策という形で全部さらえたのも、すごく役立ったと思います。
本選での話になりますが、実際に実験をやって、その考察問題が出てくるっていうのが大学受験でも必要になってくるスキルだったので、それを先に体験できたのが良かったです。

Q:今振り返ってJBOに挑戦してよかったことは?

生物選択が、学校ですごくマイナーな存在だったので、JBO本選で「生物を志したいと思ってる人がこんなにいっぱいいる」っていうのを、大学に入る前に知ることができたのは、モチベーションにつながったと思います。
そこで知り合った人と今になってもまだ接触する機会があるというのは、今のモチベーションにもかなりつながってるなと感じます。

Q:現役挑戦者へのエール!

皆さん生物が好きで挑戦したいと考えていると思うので、是非好きをカタチにできるように、と思います。
カタチに残せなくても良いと思いますが、生物が好きでJBOに挑戦して、いい結果が取れたとか達成感を得られたというような経験が、受験やその後の人生にもつながってくると思うので、ぜひ挑戦頑張ってください。

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JBO本選出場者インタビュー:髙橋航さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

髙橋航さん
所属:
筑波大学生物学類3年
出身:
山形県立鶴岡南高等学校
出場:
JBO2018 東京

Q:今は何をしていますか?

今は筑波大学生物学類の3年生で、来年から卒業研究が始まるんのですが、原生生物の多様性や系統分類などの研究をしようと思っているので、顕微鏡をひたすら覗くことになると思います。
サークル活動などについては、高校生の頃に情報オリンピックに参加したことがあったことがあるので、その延長で趣味で競技プログラミングをやっていて、サークルもそういったものに入りました。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

数学オリンピックが有名なので知っていて、高校1、2、3年のときに出場したのですが、他にも何かオリンピックに出たいと思って調べたら検索でJBOがヒットして、そこで知りました。
高1は数学オリンピックに出て予選落ち、高2年の時は数学オリンピックと情報オリンピックと地理オリンピックの3つに出て3つ全部予選をしました。数学オリンピックでメダルを取りたかったのですが、どうやら無理そうだということで、色々受けてみようと思って高校3年のときにで物理チャレンジ、化学グランプリ、生物学オリンピック、地理、地学、情報、数学、ひと通り出て、生物以外は予選落ちしました。笑
生物学オリンピックはどちらかと言うと思考力を重視される傾向にあると思うのですが、数学は思考力は当然のように要求されてそのうえで発想力の方を重視するような傾向にあって、数学と情報は「天才以外お断り」のパズルコンテストの様相だというイメージを持っています。

Q:JBOに挑戦したのはいつですか?

生物学オリンピックは高校3年生の時に参加して、初参加で2018年のJBO本選 東京大会にも出場しました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

高校時代は物理化学の選択だったので、生物基礎を高校1年生の時にやっていた程度だったのですが、高2年の冬に同じ物理選択だった友達が間違えて買った生物の教科書を貰い受けて、学校で使っている教科書、資料集と問題集のものをその冬からやり始めました。
勉強方法としては、教科書の1章分を通し読みしてその後で学校で配られているワークを解くという方法で、予選の直前にあたる高校3年の7月に教科書は高校の範囲を一冊読み終えて、過去問は直前の年の問題を、時間は計らずにどんな問題が出るのかなという確認の意味で一通りやりました。
数学オリンピックの勉強を2年間やっていたので、思考力に関してはその過程十分に勉強してあり、あとは生物の知識を入れるだけだったのだと思います。ですので「考える問題が解けない」と思ったら、ひょっとしたら数学オリンピックや物理チャレンジの過去問を解いてみると良いかもしれません。そういう経験の土台があるか無いかは大きいと思います。
勉強していて分からない箇所は資料集(スクエア最新図説生物NEO)を開いていました。これはおそらく、隅々まで読み込めば本当に生物学オリンピック本選レベルでも対応できるだけでなく、所々キャンベルより詳しく書いてような箇所もあると思います。推薦図書にキャンベル生物学とありますが、あの分厚い教科書を使って勉強して受けるのは日本代表まで残りたい人だけだと思います。笑
もし資料集で足りなければネット検索が有用でした。例えば日本植物生理学会のホームページに「みんなのひろば」というコーナーがあり、そこに詳しく書いてあるので、植物生理学系のことで分からなかったら日本植物生理学会のホームページを確認していました。
僕は物理化学選択だったので高校の先生に聞くことができず、分からないところがあったら自力で解決するしかなかったので、そういう勉強法になりました。
部活は科学部に所属していていたので、実験データを見て考察するということに取り組んでいたことも大きいかもしれません。チームでテーマを1つ決めて研究活動をする伝統ある部活で、物理班では力学系の、球を転がすような研究をやって学生科学賞の山形県大会で最優秀賞も受賞しました。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

友達を何人か誘ったのですが、誰も受けてくれなかったので(笑)僕の代では一人だけでした。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

受験勉強は正直何も考えていませんでした。笑
数学と理科はできたのですが、国語と英語が致命的にできなくて、勉強してもこれ以上は理系科目を伸ばすのは無理だと思ったのですが、文系科目の勉強はやりたくなくて、それでも入れる大学を狙おうと思って受験しました。
オリンピックの直前に東北大オープン模試も受けたのですが、数学と生物と物理はそこそこできたのに、英語が全くできず、100点満点中8点でしたが(笑)それでも理学部はA判定を取れたので、もう英語はやらなくていいやと。このままでいけるって思ってしまいました。
今でも英語は苦手で、論文を読むのもGoogle翻訳に結構頼ることが多いです。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

役に立ちました。筑波大学には国際科学オリンピック特別入試というもので入学しました。これはズバリ生物学オリンピックの成績を使う入試方式で、志望理由書と生物学オリンピックの点数のコピーと面接だけで入れるという、実質的に生物一教科で国立大に入る方法があって、それを使って入りました。この方法で入学した同期は僕の他にもう2人います。

Q:JBO本選の成績はどうでしたか?

銅メダルでした。上位40人までメダルを貰える中の、ちょうど40位で銅メダルもらいました。ギリギリセーフです。笑

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

筆記試験は受けていないので確かなことは言えませんが、生物学オリンピックの受験によって明らかに生物の力は伸びた感覚はありました。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

当然ながら生物の力が身に付いたことは大きいと思いますが、それだけではなく、生物学オリンピックを通して友人が何人もでき、また大学で同じオリンピック入試の友人が
いるというのはありがたいですし、地方の高校だとそういった本当に頭の良い人と関わる機会はあんまり無いのですが、そういう環境の中ではかなり刺激になったと思います。

Q:現役挑戦者へのエール!

とりあえずチャレンジすることは大事だと思います。何回も予選落ちした経験から言えることは、①教科書の、出題範囲を全て終わらせずに受ける。②過去問を、時間を測って解かずに受ける。この二つのどっちかをやると確実に予選落ちするので、やめた方がいいと思います。
数学でもなんでも、一通りはやって、挑戦するべきだとおもいます。僕は高校で物理をやっているし、部活でもやっているから大丈夫だろうと思って受けたら電磁気の分野の理解が甘く、そこで点を取れなくて予選で落ちましたし、化学の方は時間を計らないと到底間に合わない分量なのですが、時間配分を考えずに受けたらあっさり落ちました。
そういう過去があるので、過去問を時間を計って解くこと、出題範囲を一通り押さえること、この2つをやらずに予選を突破するのは難しいと思います。

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JBO本選出場者インタビュー:本屋敷健太さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

本屋敷健太さん
所属:
九州大学 理学部 生物学科2年
出身:
修道高等学校
出場:
JBO2019 長崎

Q:JBOをどうやって知りましたか?

高校の先生から「受けてみないか」と勧めがあって知りました。おそらく僕が生物好きだということを知った上で話の中で勧めてくださったのだと思います。高校3年生が初参加なので、準備期間もかなり短いと思います。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

学校の勉強と並行して教科書を読み込んだり、学校で渡された資料集を読んだり、問題集を解いたりという勉強法でした。先生から「自信のある科目を作れ」と言われた時期で、やりたいことを先生からすごく応援してもらえる環境だったこともあり、当時は他の科目のことは一旦忘れて、他の科目の勉強をしなければならない時間も「一回も生物に集中しよう」と思って取り組みました。
JBO予選の過去問については、7年分ぐらいを使って1、2周ずつは解いたと思います。最初は過去問を解いては調べ、資料集で足りない知識を補ってというサイクルで、1回あたり2〜3時間とかなり時間をかけたと思いますが、繰り返しているうちに試験時間に収まるようになりました。JBOの解答解説がわかりやすく、まずはそれで理解を深め、どうしても分からなかい部分は極力自分で調べるようにしていました。意外と資料集に載っている話も多く、教科書の定義の話などをきちんと捉え直せばなんとかなりました。
キャンベル生物学については、本選に出場して初めて存在を知りました。「なんでみんなこんな分厚い本を持ち歩いているの!?」という感じですごく驚いたことを覚えてます。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

学校でJBOに挑戦したのが僕一人だったので、本選に行って初めてJBoを受験するような人に出会いました。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

元々生物系の学部を受けようとずっと思っていたので、受験勉強の延長としてJBOを捉えてました。
東大京大だったり、他の旧帝大でもら記述式の問題が多いので、そういった試験に向けたトレーニングの、少し違う方向からの練習という感覚で捉えいました。
東大とかになってくると知識を問うだけの問題が全然ない状態で、文章を読んで回答する問題が増える印象があるので、JBOのように問題形式で新しい知識が入ってくることがすごく嬉しかったので、他の科目はJBOの本選が終わってからようやく頑張り始めたといっても過言ではありません。笑
もちろん、学校の授業は受験を意識した内容になっていて、授業中に大学入試の過去問を解くこともよくあったので、そういう面ではJBOの勉強をしている期間は他は手が付かなかったということは無かったと感じます。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

少し悩みましたが、結局「いいかな…」という結論になったので役立てて、、いません。笑
九州大学は後期で受けて、前期は阪大を受けました。JBO特有の入試だと筑波大学などが良いとは思いますが、僕は医療系と生物の進化系を融合したような分野に興味があり、そういったことができそうな大学にはJBOの成績を使えるところが見つからなかったので、そういう結論になりました。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

すごく役立ちました。筆記試験では高校生物で出てくる情報をバックグラウンドに、初めて出てくるような知識や考え方を、文章から読み取って限られた時間内に解かなければならないというのが難しいポイントだと思います。そういう問題に向き合う時にJBOで付けた癖は、実際にピペット操作を身につけるように、手を動かした経験というか、思考回路的な意味で、すごく知識が体系化したように思います。
他の科目でいうと、国語は多少伸びたかもしれません。勉強をする際に論理的な説明をする必要があり、きちんと理由付けをしなければならないので、そういった経験が役立ったように思います。

Q:今振り返ってJBOに挑戦して良かったこと

本当に自分の中で自信がつきました。それまではなんとなく受験に向けて勉強していたのと、将来の夢もボヤっとしている中でJBOの本選に出たことで、僕の中で「自分はこれだけ生物ができるんだ」という自信がついたことは嬉しかったです。
もう一点は、やはりなかなか普段出会うことができない人に出会える機会があるというのは感じていて、いま僕は九州大学で合成生物サークルの代表をしているのですが、そのサークルの創設者の方が僕がJBO本選に参加した時にちょうどSCIBO(学生スタッフ)として参加していた方で、その方とお話をする機会があった時に「合成生物のサークルに入ってみないか?」と誘われて今があります。これはJBOに挑戦していなかければ無かったであろう出会いだと思います。

Q:現役挑戦者へのエール!

まず僕はJBOのことをあんまり知らなかったので、まずはぜひ知ってもらいたいと思います。そして頑張ってほしいと思います。
参加をすれば本当に楽しい仲間たちが待っていますし、楽しい先生たちからの挑戦状(笑)もあると思うので、そういったことを楽しんで取り組んでもらえたら良いなと僕は思います。

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JBO本選出場者インタビュー:星野敬太さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

星野敬太さん
所属:
東京大学 農学部 1年
出身:
栄光学園高等学校
出場:
JBO2017 広島JBO2018 東京IBO2019 ハンガリー

Q:今は何をしていますか?

東京大学の学部1年生で、推薦で入ったので農学部に行くことは決まってます。いまは試験勉強に追われています。笑

Q:JBOをどうやって知りましたか?

学校に貼ってあるポスターを中一の時に見たのが一番最初だったと思います。

Q:JBOに挑戦したのはいつですか?

中3と高1の時に本選に参加しました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

きっかけは自分でもあまり分からなくて、中1の時は特に生物が得意だったわけではありませんでしたが、冬に本屋に行った時にその場のノリで高校生物の参考書を買って、往復2時間ほどの通学中に電車の中で参考書を読んでいたらほぼ独学で本選に参加できたという感じでした。その時使っていた参考書はシグマベストの「理解しやすい生物」というもので、今はもうボロボロになっていて押入れにしまってある状態です。
他の方が使っているような高校の教科書とか図説は高校に入ってから貰える物なので、中学生の間は無く「理解しやすい生物」一本で勉強をして、一番最初の予選を突破しました。
高校生物を大体理解してれば本選には行けると思いますが、JBOの問題は思考力を試す問題が多いので、そういう意味では高校生物を100%理解していなくても思考力のゴリ押しで高得点まで持っていけることもあると思います。知識重視ではないと思います。
中3で本選に出たときに敢闘賞で、ちょっと悔しかったのでキャンベル生物学を買ってそれを中心に勉強しました。キャンベルは分厚くて持ち運びが厳しいので、カッターで何冊かに分けて厚紙で挟んで製本テープでまとめて、という具合です。
過去問については遠い記憶なので曖昧ですが、5年分ぐらい予選問題を解いたと思います。

Q:JBO本選の成績はどうでしたか?

中3の時は敢闘賞で、高1の時は銅賞でした。高1で参加した時に選抜メンバーの15人に選ばれて、その後日本代表としてIBO2019ハンガリー大会に出場しました。IBOでも銅賞だったので、銅賞に愛されてしまったとしか言いようがありません。笑

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

同級生に僕の翌年に日本代表になった人が1人いて、その人はIBOに参加して金賞を取りました。
生物学オリンピックの勉強に向けて切磋琢磨した、という訳ではありませんが、科学の甲子園という大会で僕と彼とが生物担当になっていたので、そこで協力し合う関係でした。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

高3の頃は受験勉強が第一で、生物の勉強は後回しになっていた節があるので、受験勉強には集中できていました。
高2でIBOに出たために次はもう出ることができず、高3で本選に行くことは可能でしたが、その年の予選開催日に模試が重なってしまい、模試を優先してしまったので、その年は本選にも出場していません。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

役立ちました。東大の推薦を使いましたが、その推薦要件として生物学オリンピックは分かりやすく使えるので、それで出しました。
僕はバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックに興味があるので農学部に出願しましたが、そこで生物の知識があることを伝えられるので良かったと思います。
JBOの成績を推薦入試で使えることについては、日本代表に決まる頃には知っていましたが、それが目的でJBOに挑戦した訳ではないので、結果論のようなものです。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

役立ちました。生物の背景知識がたくさんつくと思うので、受験の内容も定着しやすいと思います。
生物の大学入試は記述が多いので、その対策は個別に必要だと思いますが、内容を理解するという点においては大学受験の生物もJBOの生物も変わらないと思います。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

大学に入ってからもJBOの繋がりがあって、僕は現在iGEMという合成生物学、例えば大腸菌や酵母の遺伝子を組み替えて社会的な問題を何か解決しようという世界大会に挑戦するチーム、サークルに入っているのですが、そのメンバーにJBO経験者が多くて、そうした繋がりが今もあると感じています。

Q:JBO本選の思い出を教えてください

コロナ前の話にはなりますが、大会期間中に交流会があり、参加者の中で漫才を披露してくれたりとか、多才な人がたくさんいたのが印象的で楽しい思い出がいろいろできました。

Q:現役挑戦者へのエール!

生物は暗記科目だと思われがちですが、本当に面白い生物学は暗記した後から始まるので、最初の暗記の部分は嫌でも耐えて(笑)その後に待っている面白い生物学を期待して頑張ってください。

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JBO本選出場者インタビュー:千代田創真さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

千代田創真さん
出身:
海城高等学校
出場:
JBO2015 広島JBO2016 つくば

Q:JBOをどうやって知りましたか?

中2の夏休みに創造性の育成塾っていう、合宿形式で全国から3, 40人ぐらいの中学生が集められて1週間程度色んな先生の講義を受けるという催しがあり、その時にJBO委員の松田良一先生が授業にいらしていて、その時に色々話を聞いていつか出てみたいと思ったのがJBOとの出会いでした。
高校は生物部だったのですが、生物部の1つ上の先輩と2つ上の先輩がJBO本選に出ていて、そこから影響を受けて受験したというのも大きいです。

Q:JBOに挑戦したのはいつですか?

初めて予選を受けたのは高1だったと思います。その時は予選落ちで、高2、高3と受けたときは本選まで出ることができ、両方とも銅メダルでした。
高2の時は代表候補の15人にも入ったので、その後のセミナーにも参加しました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

中3の頃から勉強していましたが、まずは高校生物を勉強しようと思い、学校の先生に相談して高校1年生向けの講習に中3生として参加させてもらったり、生物部では周りにも受験者がいたので、そういう人と一緒に過去問で勉強したり、先生に大学の過去問でJBOに形式が似てる問題を探してもらって自分で解いてみたり、キャンベル生物学を買って少し読んだりとか、そんなようなことをしてました。
JBOの過去問はネット公開されている分は一通りやったと思いますが、それを軸に勉強していたというよりは、予選を受ける1ヶ月前頃から時々解いて自分の実力を確認する目的で使っていました。
高3になる頃には授業でも生物を受験勉強としてやっていたので、高3で受けた時は特に生物学オリンピックのための勉強はしていませんでした。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

高校の生物部の同学年には受験者はいませんでしたが、一つ上の学年で仲良くしてもらっていた先輩2人がJBO本選経験者だったので、その2人の先輩方に引っ張ってもらうような形で、わからない部分の質問などに付き合ってもらっていました。

Q:受験勉強との両立はどうしましたか?

生物学オリンピックのために高1、高2ぐらいから受験生物の内容も含めて生物の勉強していたので、むしろ高3になってからはあんまり生物の勉強をしなくても良くなっていて、他の教科の勉強に時間を割けたという意味で、生物学オリンピックに早めに挑戦しておいて良かったと思っています。なので高3になる頃には両立が大変という感覚は全くありませんでした。

Q:大学進学(推薦入試、AOなど)に役立ちましたか?

僕はそういうものは使っておらず普通に受験をして大学に進学したので、役立たなかったと言うと言い過ぎですが、そうした制度を使うつもりはありませんでした。
あわよくば使おうかと思ったことはありましたが、推薦枠は学年に1人、2人とか校内でも枠があったので、同学年にいた地学オリンピック出場者が成績も優秀だったことから、自分は溢れるだろうことが予想できたので、普通に受験しようと考えていました。

Q:大学受験(筆記試験)に役立ちましたか?

生物に関しては生物学オリンピック関係で前々から勉強ができていたので、そこは大学受験でも大いに役立ったと思います。
他の教科については、生オリを通じて伸びたという感覚はありませんでした。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

大学に入ってからもJBOでお世話になった松田良一先生など、東大の先生には入学後も研究室にお邪魔するなどでお世話になりましたし、一緒に出場して代表候補で同じだった同期とも繋がりがあって、生物に関する面白い授業や講演の情報をやり取りできました。そうした新しい人間関係ができたのはすごく良かったと思います。

Q:JBO本選の思い出を教えてください

僕は昆虫など身の回りにいる生き物が好きなところから学問としての生物学を面白く思うようになったタイプで、僕は昆虫の標本などをよく作っていたのですが、高3でつくば大会の本選に行く時にSNSで事前に、同じ出場者の中に古生物が好きな子がいることを知り、お互いに標本を会場で見せ合おうという話になったので実際に昆虫標本を1箱、本選会場に持って参加しました。そして夜の自由時間にその古生物好きの子と直接お互いの標本を見せ合うことができたのがすごく楽しかった思い出です。
他にはそういうタイプの人はあまりいなくて、2回出場しましたが1人、2人にしか会わなかったので、そういう人が行けば必ず楽しめる場所というわけではないと思いますが、僕の時はたまたまそういう人がいたので、すごく良かったです。

Q:現役挑戦者へのエール!

高校の時の一番の思い出をあげるとしたら生物学オリンピックを目指すために勉強したり実際に出場したりということだと思います。JBOに参加することで大学進学後も色々な繋がりができますし、JBO本選自体もすごく良い思い出として残ると思うので、ぜひ頑張って勉強して本選出場ならびにその先の代表候補、代表を目指して色んな人が頑張ってくれると良いと思います。

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JBO本選出場者インタビュー:阿坂玲さん

出場者インタビュー, 日本生物学オリンピック

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

阿坂玲さん
所属:
滋賀医科大学 医学部医学科 5年
出身:
四天王寺高等学校
出場:
JBO2015 広島

Q:今は何をしていますか?

滋賀県の滋賀医科大学の医学部医学科5年生です。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

生物部に入っていたのですが、部の先輩が個人で受けていて初めてJBOの存在を知りました。部の仲間と私達も受けてみようという話になり、高校1年生から毎年挑戦し、高校2年の時に2015年のJBO本選、広島大会に出場しました。
JBOへの挑戦にあたって学校の先生から後押しがあったわけではありませんでしたが、私たちが受けたいと伝えてからは色々と協力していただきました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

当初は先輩が一人で受けていたのみで、それ以外は情報が何もない状態でした。
ある時、関西地区の生物部で交流会をする話をいただき、私達も参加させてもらいました。そこにはJBO本選出場者やIBO経験者も出る学校からも参加があり、やり方を聞くと、JBO経験者をコーチ役にして下級生に勉強を教えているという話でした。私達の学校にはコーチ役がいなかったので、それは顧問の先生にお願いして、例えば東京理科大学の生物の入試問題とか、教材を用意してもらい、事前に解いてきて解説してもらうということを月1、2回ずつ行っていました。そうした教材は、考察を相当しっかりしないといけない問題が多く、すごく難しい印象がありました。
キャンベル生物学については、本選に出場して初めて存在を知ったぐらいなので、JBO対策は学校の勉強が中心でした。資料集など、学校でもらったものを授業と並行して読み込みましたが、JBOに向けた勉強というよりは、自分の興味で資料を読んでいたらJBOにも活きたという感じでした。
JBOの過去問を使った勉強は、試験の直前に1、2年分を解いた程度だったと思います。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

生物部有志で生物好きだった子や、3つ下の中1から勉強会に参加していた子だったり、私が兼部していた他の部の友人で、勉強会に誘ったらすごく喜んで一緒に受験してくれたりと、10人ほどの受験者がいました。

Q:大学受験に役立ちましたか?

元々は薬学部志望でしたが、JBOへの参加は医学部への進学を意識する一つのきっかけになりました。AOについても、できるならやってみようという感じで応募しました。JBOへの参加は、それまで全く考えていなかった進路に足を踏み入れようとした転機でした。

Q:大学進学(筆記試験)に役立ちましたか?

すごく役に立ちました。私は元々あまり勉強が得意ではなく、大学に行くビジョンもさほど持っていた訳ではありませんでした。当時、たまたま生物に興味を持っていたことで主に生物の勉強をしていましたが、大学受験に関していえばオーバーワークのようなレベルの勉強をさせてもらっていたので、他の科目の勉強に時間割くことができ、それはすごく大きかったと思います。1科目は完成している安心感というか、考察問題を解く時も他の人たちに比べて勉強量が違うと思うので、すごく役に立ったと感じます。
国語に対しても苦手意識がなくなって、こういう話が書きたいんだということが分かるようになり、得意とまでは言えないまでも、苦にはならなくなりました。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

まず視点が広かったというのが先ずあります。私の高校は進学校と言われている方で、生物に関して私はけっこう頑張っていて、自分賢いって思っていましたが(笑)、JBOを高1の時に受けて惨敗したり、高校2年生でいざJBOの本選出場したら「家で爬虫類を飼ってますよ」っていう子や「虫をずっと飼ってます」という子など、あらゆる生物好きが集まっていて「あぁ私よりだいぶ凄い人たちがいっぱいいるんだ」ということを感じたり、中学生で本選に出場してみんなを圧倒していく子がいたりして、「私が見ていた世界は小さすぎたな」と感じました。
JBO本選中は、本当に楽しかった思い出がすごく強くて、配られたDNAトランプを使ってみんなで徹夜して、永遠にババ抜きをしたり…笑
他にも、多くの人と繋がりを持てたということもあります。それこそ本選の時には喋ることができなかった人たちとも、今はSNSが発展していてLINEしかりTwitterしかりFacebookしかりで色々と繋がっているので、「この人はずっとこんなことしてるよ」とか「私はこんなことしてるよ」とかいう情報を発信していて、しんどくなった時とかに、別の人の頑張る様子を見て「私も頑張ろう」という気持ちになれたり、あって凄く良かったコミュニティだなというふうに私は感じてます。

Q:現役挑戦者へのエール!

JBOはマクロ、ミクロ問わずにすごく多くの生物好きと関わることのできる場所だと思います。JBO本選に出場して悪かったことは一切なくて、本選に出場するための予選の勉強も後で絶対に生きる経験で、損だと思ったことは本当に無かったので、是非とも勉強して出場して、いろんな人たちと関わりを持ってもあり、さらに生物への愛を強めてほしいです。

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