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JBO委員長の交代 2010年8月

退任のことば―後に続くものを信ず― 毛利 秀雄 前委員長

Mohri_Asashima このたび浅島誠先生に後事を託して、6年間務めさせていただいたJBO委員長を退くことになりました。まずこの間に寄せられました各方面の多くの方々からのご支援に対し心からお礼申し上げます。
 顧みますと、委員長をお引き受けするまでは私自身も「国際生物学オリンピック」について何も知りませんでした。ボランティアで集った先生方も事務局も皆手探りで問題を作ったり、国内選抜試験を実施したりしていました。どんな教科書が国際標準なのかも分りませんでした。それでも2005年に最初に参加した中国・北京大会では、代表になった生徒諸君が健闘して二個の銅メダルを獲得してくれました。ただすべての先進国の後塵を拝したことも事実であり、また上位にはアジアの近隣諸国が顔を出していました。
 それから全員の努力が始まりました。その一つはもちろん国際大会での成績向上をめざす代表たちのスキルのレベルアップでしたが、もう一つは国内選抜試験を兼ねる「生物チャレンジ」事業、特に合宿を伴う二次の実験試験に多くの優れた生徒たちを集めることによって、わが国全体の生物学の裾野を広げようということでした。幸いその頃から政府が「科学オリンピック」に力を入れて予算をつけてくれるようになったことと、わが国が2009年の筑波での国際大会開催を受け入れたことが相まって、わがチームの成績は徐々に向上し、盛会裏に行われた筑波大会ではついに念願の金メダルを獲得し、国別順位も初参加時の31位から6位になり大いに盛り上がりました。今年の韓国・昌原大会でも順位は10位でしたが代表たちは昨年と同様に金一、銀三を獲得し、しかも目標とした女子での金メダルを達成してくれました。
 しかしアメリカは別として上位がほとんどアジアの他の国々、中国、韓国、台湾、タイ、シンガポール、インドネシアによって占められているという事実は、これから十年、二十年先を考える時、科学・技術で国を立てて行こうとするわが国にとって決して見過ごされてよい問題ではないと思います。幸いこれまでの代表OB、OGたちは「生物チャレンジ」を積極的に応援してくれており、また現在いくつもの大学、研究機関がこの事業を支えてくださるようになっています。民間からの寄附もありがたいことです。ここにOB、OGたちはもとより、わが国の若者たちがかならずや近い将来世界の生物分野において大きな貢献をするであろうことを期待して、退任のことばとします。皆さんどうもありがとうございました。ますますの躍進を祈っています。(2010・8・1)

JBO委員長への就任にあたって 浅島 誠 新委員長

 このたび、次期(2010年8月1日から)のJBO委員長に選出されました、浅島 誠です。前任のJBO組織委員長の毛利秀雄先生はJBO組織委員会や運営委員会の発足当時からこの7月まで6年間にわたって日本の科学力、とりわけ生物学の発展とこのJBOの組織体制作りと運営に多大なご尽力をなされてきました。毛利委員長の卓越した指導力とご尽力によって、JBOは今ではその組織や運営も軌道に乗ってきたところです。その間、私もJBOの組織委員会および運営委員会の副委員長としてその職にありましたが、JBOの組織委員長の毛利先生や運営委員長の石和貞男先生にほとんどお仕事をお任せしてきました。それゆえ、このような重大な責務に耐えうるのか、甚だ心もとないところではありますが、今までどおり皆様方、とりわけ組織委員会や運営委員会や作業部会の先生方はじめ文部科学省、科学技術振興機構(JST)や科学技術振興財団(JSF)の方々など多くの方々のご支援を今までどおりお願いしたく思っています。
 わが国が2005年にIBOに正式参加するようになってから、今年で早くも6年目になります。この間JBOでは、第17回(2006)アルゼンチン・リオクアルト大会、第18回(2007)カナダ・サスカトゥーン大会、第19回(2008)インド・ムンバイ大会、第20回(2009)筑波大会、そして第21回(2010)韓国・昌原大会と、国内選抜試験に合格した4名の高校生代表を送りだしてきています。国際大会におけるわが国のこれまでの実績は、初参加した第1回目から第6回目まで全ての会でメダルを手にしておあり、第5回目および第6回目(2010年)と二年連続で待望の金メダル1個と銀メダル3個を手にすることとなり、着実に成績を上げてきています。これからも大いに皆さん方がこの大会に参加して良い成績を上げられることを期待しています。
 IBOの国内選抜試験の受験者数は、最初の年の324名(申込み399名)から毎年増加し、IBO2009筑波大会を控えた昨年の受験者数は 2069名(申込み2484名)に達しました。今年韓国で行われるIBO2010の代表を選ぶ昨年はさらに受験者数2395名(申込み2693名)となり、彼らの属する中学校・高等学校の数も400を越えています。SSH校をはじめ全校的に取り組んでくださっている学校も多くありますが、これらの数字はわれこそはとチャレンジしてくれている生徒諸君が全国的に増加していることを示しています。
 JBOでは国内試験を「生物チャレンジ」(今年の場合は「生物チャレンジ2010」になります)と呼び、高校三年生以下誰でも参加できるようにしています。われと思わん人は中学一年生でも構いません。以前は国際大会の時に高校生でなければならないということで、国内試験への参加資格はわが国では高校二年生以下に限っていました。現在はこれを改めて、国内に関しては高校三年生までを含む全員の実力を認定します。一次の理論を中心とする試験の成績上位約5%の方には優秀賞を差し上げ、幾つかの大学ではAO入試などに役立てていただいています。そのため大学に行っていない20歳以下の予備校生にも受験資格があります。
 一次試験の上位80名(ただしIBO代表の選抜もかねるので内30名以上は高校二年生以下とします)が二次の実験を中心とする試験に臨むことになりますが、いままでは筑波大学や広島大学、基礎生物学研究所などの協力を得て宿泊も行い、実験だけでなく大学の先生の話を聴いたり、研究室を訪ねたりすることができます。参加者間の交流も楽しく行われています。終了時には一次、二次の成績を考慮して優秀者に金、銀、銅メダルを授与します。時期は一次、二次とも夏休み中です。なお第22回の台湾大会に参加するための代表4名を決めるために、第二次試験で選ばれた約15名には秋からはじまる代表候補選抜試験に臨んでいただく予定です。今後も毎年このようなスケジュールで「生物チャレンジ(日本生物学オリンピック)」を行って、IBO代表の選抜だけでなく、中・高生の皆さんの生物学への親しみを深め、その裾野を広げていきたいと思っています。なお詳しくはJBOのホームページをご覧ください。
 最近の「国際生物学オリンピックIBO大会」の成績を見ると、わが国の実力は上位常連国の水準にやっと追いついたというに過ぎません。教育委員会をはじめ、中学校・高等学校の校長先生、理科・生物担当の先生方にはこのような事情をご賢察くださり、今後とも素質のある生徒諸君にぜひ「生物チャレンジ(日本生物学オリンピック)」への参加を勧めていただきたいと思います。なお高等学校における学習の習熟度をはかるセンター試験とは性格を異にするものであることもご理解ください。また生徒諸君には進んでこれにチャレンジされて国際大会の金メダルを、さらには将来国際的に通用する一流の研究者や科学者になれば、私どもの喜びこれに過ぎるものはありません。
 JBOはIBO大会に参加することを通じて、生物学を含む科学の英知を世界に向かって発信できるような次世代の若者を、わが国において育成してくことを目指しています。ぜひ多くの高校生を中心(初等・中等教育の生徒を含む)とした若い人たちがこの生物学チャレンジ(日本生物学オリンピック)に参加していただくことを強く期待しています。

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