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JBO本選出場者インタビュー:阿坂玲さん

※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです

阿坂玲さん
所属:
滋賀医科大学 医学部医学科 5年
出身:
四天王寺高等学校
出場:
JBO2015 広島

Q:今は何をしていますか?

滋賀県の滋賀医科大学の医学部医学科5年生です。

Q:JBOをどうやって知りましたか?

生物部に入っていたのですが、部の先輩が個人で受けていて初めてJBOの存在を知りました。部の仲間と私達も受けてみようという話になり、高校1年生から毎年挑戦し、高校2年の時に2015年のJBO本選、広島大会に出場しました。
JBOへの挑戦にあたって学校の先生から後押しがあったわけではありませんでしたが、私たちが受けたいと伝えてからは色々と協力していただきました。

Q:どんな勉強をいつからしましたか?

当初は先輩が一人で受けていたのみで、それ以外は情報が何もない状態でした。
ある時、関西地区の生物部で交流会をする話をいただき、私達も参加させてもらいました。そこにはJBO本選出場者やIBO経験者も出る学校からも参加があり、やり方を聞くと、JBO経験者をコーチ役にして下級生に勉強を教えているという話でした。私達の学校にはコーチ役がいなかったので、それは顧問の先生にお願いして、例えば東京理科大学の生物の入試問題とか、教材を用意してもらい、事前に解いてきて解説してもらうということを月1、2回ずつ行っていました。そうした教材は、考察を相当しっかりしないといけない問題が多く、すごく難しい印象がありました。
キャンベル生物学については、本選に出場して初めて存在を知ったぐらいなので、JBO対策は学校の勉強が中心でした。資料集など、学校でもらったものを授業と並行して読み込みましたが、JBOに向けた勉強というよりは、自分の興味で資料を読んでいたらJBOにも活きたという感じでした。
JBOの過去問を使った勉強は、試験の直前に1、2年分を解いた程度だったと思います。

Q:周りにもJBO受験者はいましたか?

生物部有志で生物好きだった子や、3つ下の中1から勉強会に参加していた子だったり、私が兼部していた他の部の友人で、勉強会に誘ったらすごく喜んで一緒に受験してくれたりと、10人ほどの受験者がいました。

Q:大学受験に役立ちましたか?

元々は薬学部志望でしたが、JBOへの参加は医学部への進学を意識する一つのきっかけになりました。AOについても、できるならやってみようという感じで応募しました。JBOへの参加は、それまで全く考えていなかった進路に足を踏み入れようとした転機でした。

Q:大学進学(筆記試験)に役立ちましたか?

すごく役に立ちました。私は元々あまり勉強が得意ではなく、大学に行くビジョンもさほど持っていた訳ではありませんでした。当時、たまたま生物に興味を持っていたことで主に生物の勉強をしていましたが、大学受験に関していえばオーバーワークのようなレベルの勉強をさせてもらっていたので、他の科目の勉強に時間割くことができ、それはすごく大きかったと思います。1科目は完成している安心感というか、考察問題を解く時も他の人たちに比べて勉強量が違うと思うので、すごく役に立ったと感じます。
国語に対しても苦手意識がなくなって、こういう話が書きたいんだということが分かるようになり、得意とまでは言えないまでも、苦にはならなくなりました。

Q:JBOに挑戦して良かったことは何ですか?

まず視点が広かったというのが先ずあります。私の高校は進学校と言われている方で、生物に関して私はけっこう頑張っていて、自分賢いって思っていましたが(笑)、JBOを高1の時に受けて惨敗したり、高校2年生でいざJBOの本選出場したら「家で爬虫類を飼ってますよ」っていう子や「虫をずっと飼ってます」という子など、あらゆる生物好きが集まっていて「あぁ私よりだいぶ凄い人たちがいっぱいいるんだ」ということを感じたり、中学生で本選に出場してみんなを圧倒していく子がいたりして、「私が見ていた世界は小さすぎたな」と感じました。
JBO本選中は、本当に楽しかった思い出がすごく強くて、配られたDNAトランプを使ってみんなで徹夜して、永遠にババ抜きをしたり…笑
他にも、多くの人と繋がりを持てたということもあります。それこそ本選の時には喋ることができなかった人たちとも、今はSNSが発展していてLINEしかりTwitterしかりFacebookしかりで色々と繋がっているので、「この人はずっとこんなことしてるよ」とか「私はこんなことしてるよ」とかいう情報を発信していて、しんどくなった時とかに、別の人の頑張る様子を見て「私も頑張ろう」という気持ちになれたり、あって凄く良かったコミュニティだなというふうに私は感じてます。

Q:現役挑戦者へのエール!

JBOはマクロ、ミクロ問わずにすごく多くの生物好きと関わることのできる場所だと思います。JBO本選に出場して悪かったことは一切なくて、本選に出場するための予選の勉強も後で絶対に生きる経験で、損だと思ったことは本当に無かったので、是非とも勉強して出場して、いろんな人たちと関わりを持ってもあり、さらに生物への愛を強めてほしいです。

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